A.食前に飲むことを忘れたと事に気が付いたら、食事中でも構いませんから、すぐに飲んで下さい。
食事を食べ終わってから気が付いたときは、食後1時間以内程度なら飲んでも構いませんが、1時間以上過ぎているときは、止めておいた方が無難でしょう。
事前に主治医の先生に、そのような場合の対応について確認しておくのが望ましいでしょう。
A.糖尿病の人の運動療法については、原則として食後に運動する事を勧めています。
経口血糖降下剤や、インスリン注射をしている人が食前の空腹時に運動すると、低血糖を起こす心配があるからです。
食事療法のみの人でも、将来お薬が始まる場合を考えて、初めから食後の運動を勧めています。
A.残念ながら、タバコは是非止めていただきたい。
タバコには血管を細くする作用があります。せっかく、血糖をコントロールして合併症が起きないように管理しているのに、タバコのせいで、足の血管が細くなり壊疽などを作っては何にもなりません。
「タバコを止めると太るから。」と言われる人には、私は「太ってもいいからタバコを止めて下さい。タバコの害は起きてしまってからでは取り返しがつかないけれど、肥満に関しては、タバコがやめられてから、ゆっくり減量すれば間に合う。」と答えています。
糖尿病の合併症は、一般には全ての臓器で少しずつ同時に進行する事が多いのですが、全ての人で、同じように合併症の症状が出現するとは限りません。腎臓には異常が無くても網膜症が先行して悪くなる場合もあります。
しかし、網膜症だけを特別に治療する方法はありません。血糖コントロールをしっかり行いう事によって、他の合併症の進行を止めると同じように様に網膜症もコントロールするのです。
眼科的な治療として、光凝固や硝子体手術などがありますが、まず血糖をコントロールする事が治療の原則です。光凝固や硝子体手術については、病状によりますので、眼科の先生に診てもらって下さい。
アルコールについては、原則禁止です。
どうしても飲みたい方には1単位程度なら、黙認しています。その場合でも、表1の食品をアルコールの摂取量と同じ単位分減らす場合もあります。
アルコール1単位の具体的な量は、ビール200ml(普通缶350ml)、日本酒75ml(1合は180ml)ウィスキー30ml(シングルは30ml)です。
A.ベイスンはαグルコシダーゼ阻害剤と呼ばれる薬の仲間で、同じ仲間の薬にはグルコバイが有ります。この薬は小腸での糖の吸収をゆっくりにすることによって、食後の急激な血糖上昇を抑える働きがあります。インスリンの分泌には原則として関係しません。
一方、ファスティックは速効型食後血糖降下剤と呼ばれる薬で、同じ成分の薬としてスターシスが有ります。この薬は膵臓に働いてインスリンを分泌させる作用がありますが、従来のSU剤(膵臓に働いてインスリンを分泌させる薬、現在最も多く使われています。食事の30分ほど前に服用する事が一般的です。)と呼ばれる薬の仲間に比べ、薬の効果が現れるのが極めて速く、且つ早い時間で効果が無くなる事が特徴です。 従って、食事毎に食事の直前に服用します。
ベイスンもファスティックも食事の直前に服用する薬ですが、血糖を下げる機序が異なり、上手に組み合わせて、血糖をコントロールします。